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「チベットの民話」

    (青土社)
チベットの民話チベットの民話
(1996/06)
オードリー ハイド・チェンバース、

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原題「Tibetan Folk Tales」。チベット人語り手から聞き取り、記録されたユーモアと知恵にあふれる民話集。

序言
天地創造
阿弥陀仏、観世音菩薩、多羅菩薩
花の木
スッパラカ
チベットの最初の王
パドマサンバヴァと幸運のスカーフ
アサンガが未来の仏陀に出会った話
リンのゲサル
湖のなかの城
殺すことを拒否した若者
白い雄鶏
賢い鼠
猿と月
人気ある詩歌、諺、謎なぞ
親切な男
三人の娘と迷った雌牛
お天気作り
困りものの息子
魔法の竹
消えた宝
美しい女たちの島
報いられた祈り
傘の木
遊牧民
恋人たち



 主に二人のチベット人――イェシェ・ツルティム、クショ・ララから聞かれた民話。特にイェシェ・ツルティムは母がすぐれた語り部で多くの伝承を聞いている方だそうです。
 内容は創世神話、英雄譚、ブッダの前世物語、変身譚と多彩。仏教の影響もつよく感じましたが、ただ物語として読んでもとても面白かったです。

 話の展開が日本や西洋の民話とも違うので、まったく先が読めない。「ええっ、そうなっちゃうの?」と何度思ったか。「リンのゲサル」は一番はらはらしながらページをめくりました。このゲサルには他にもいろいろな話があるそうなので探してみようと思います。
 また、悲恋を描いた「恋人たち」。何とかして添い遂げようとする恋人たちの生まれ変わる姿が素朴で美しい。今度バター茶を飲むときは、この話を思い出すでしょう……。

 あと、動物の皮というモチーフが多いのですね。日本の「鶴の恩返し」、「天女の羽衣」を思い出しました。皮を燃やしたあとには幸福な生活が待っていることもあれば、別れが待っていることもある。
 夫は妻に、

 いま悪魔の奴隷になっていて帰れないけれど、元気だから心配することはないと話しました。

 そ、そう言われましても(^^;)
 しかも、これでハッピーエンドになるというのが何とも不思議です。

 「皮もの」(?)の話には、「動物の姿からの解放」「完全な人間への転換を求める」物語、と註がついています。仏教でいう生まれ変わりと関係があるのでしょうか。

 「皮もの」で面白かったのは、妙に礼儀正しい「蛙」の物語。
 蛙のもとに泣く泣く嫁がされた娘は、夫=蛙を殺そうと金の蹄鉄で力いっぱいぶん殴ってみますが、蛙はまったく堪えません。それどころか、宝物をなくしてはいけないよ、と微笑む夫に娘はついほろりとしてしまう。「一緒に暮らしてみたら、けっこう幸せかも」なんて考えるのんきな花嫁です。これは絵本になったら子供がはしゃいで読みそうだと思いました。誰か描いてくれないかな。

(2009/8/27 読了)
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  1. 2009/09/02(水) 23:58:29|
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