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「世界を魅了するチベット」

  (三和書籍)
世界を魅了するチベット―「少年キム」からリチャード・ギアまで世界を魅了するチベット―「少年キム」からリチャード・ギアまで
(2010/03)
石濱 裕美子

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チベット文化はどのようにして欧米の人々と出会い、浸透していったのか。現在、チベットは世界に何をもたらしているのか――20世紀頭に出版され人気を博したキプリングの小説「少年キム」を軸にチベット文化の普遍性を読み解く。



 アップルコンピューター、シャーロック・ホームズ、マドンナ、「2012」、ダージリンティ、ビースティボーイズ、フィアット、「チップス先生さようなら」、エディ・マーフィ……。

 ばらばらな言葉の羅列のようだけれど、実はみんなチベットと何かしらつながりがあるのです。

「え、あの作品のいったいどこに?」「あのアーティストがチベット?」と興味がわきました。
 私が一番驚いたのはシャーロック・ホームズ。でも、あの丁々発止のお寺の問答を見たら、確かに薬物やってる暇はなかったでしょうね。

 前半では、19~20世紀のヨーロッパでチベットが神秘的な理想郷と考えられていたことが当時の本を通して語られています。
 後半は、20世紀後半以降、チベット文化に魅せられた欧米の知識人やアーティストについて。チベットをテーマにした音楽や映画もたっぷり紹介されています。

 かつては、神秘主義者や冒険家の憧れをかきたてる理想郷、という獏としたイメージでしかなかったチベットが、欧米の人々の前に現実の姿を現した。彼らはチベット仏教哲学そのものに、あるいはダライ・ラマ法王が語る普遍的メッセージに惹かれていく――。
 人がチベット文化への生きた入り口となった、という点がとても面白かったです。

 また、中盤でダライ・ラマ法王の「三つの立場」などを書かれたところも印象に残りました。
 前半から続けて読んでいると、そのメッセージやチベット仏教の瞑想などが欧米の人にとってどれだけ衝撃的であったか、想像できるような気がするのです。ことに、高僧たちが「仏教への改宗を求めなかった」ことは、欧米の人には宗教観そのものを揺さぶられる出来事だったのでは?


 他にも、目をひかれた言葉は――

「騒々しい社会を逃れてこういうところへ来られるんだったら、全財産を投げ出してもいいと思っている奴がいっぱいいるんだよ。ところが、奴らはそこを出てくることはできないのだ。監禁されているのは我々なのだろうか、それとも奴らなんだろうか」

(「失われた地平線」より)

「チベットを救うことは我々の社会を救うことなのです。チベットを救う時、我々は敵とも兄弟姉妹になれるという可能性を同時に救っているのです」

(リチャード・ギア)


 欧米の人のチベット観は「チベット 受難と希望」を読んだ頃から気にかかっていたので、19世紀ヨーロッパからその流れを追えるのが面白かったです。

 そして、空想も爆走。
 もしもモンゴルと仏教の出会いがもう半世紀ほど早かったら。もしもチンギス・ハーンやその子供たちが仏教に傾倒していたら……ヨーロッパの歴史もまったく変わっていたかもしれない。
(2010/4/20 読了)



 ちなみに、3章で書かれた植物採集家キングドン・ウォード「ツァンポー峡谷の謎」のルートを探検された方が体験記事を書かれてます。

「ツアンポー峡谷脱出行」角幡唯介(ノンフィクション・ライター、探検家)
岳人2010年4月号 に掲載

http://www.tokyo-np.co.jp/gakujin/gak2010031101.html

 著者の講演会に行った人から、お話をまた聞き&探検ルート地図を見せて頂きましたが……食料が尽きかけて、本当に危なかったらしい。よく生きて帰って来られたなあ。完全インドア派の私は話を聞くだけで死亡しそうでした。


目次

序論 チベット仏教の普遍的性格

第一部 小説の中のチベット
 第一章 白人少年とラマ僧の幸せな出会い 「少年キム」 
 第二章 ホームズの臨死体験 「シャーロック・ホームズの帰還」 
 第三章 シャングリラ伝説の始まり 「失われた地平線」 
 第四章 ヒッピーのバイブル 「チベットの死者の書」

第二部 現代欧米社会とチベット仏教 
 第五章 伝統と先進のアイコン ―ダライ・ラマ14世―
 第六章 現代の「キム」たち 
 第七章 「立ち上がれ!」 ―チベタン・フリーダム・コンサート―
 第八章 バーチャル・チベット ―映画の中のチベット―

結論 チベット文化が現代に持つ意味
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  1. 2010/05/22(土) 18:21:20|
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