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「チベットのものいう鳥」

       (岩波書店)
チベットのものいう鳥チベットのものいう鳥
(2004/10/27)
田 海燕、

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原題「金玉鳳凰」。とある国の王子は英明な王になるために、沈着さと強靭な精神を得る方法を雪山隠士に尋ねた。隠士は遠い森に住む金玉鳳凰を連れてくるように王子に言う。ただし、この神鳥になにを言われても決して口をきいてはならない、という――。27編のチベットの民話を収録。



 著者が「1954年にチベット族代表団から聞き取った物語をまとめた」ものだそうです。
 1954年というと、もしかしてダライ・ラマとパンチェン・ラマが北京で毛沢東、周恩来らと会見した時のことでしょうか?

 神鳥が語る短編をつなぎあわせて一つの長い物語がつくられる、連還体という形式の民話群。
 鳥の話があまりに面白いものだから、王子は戒めも忘れて「それで、その先はどうなったのだ」とついつい尋ねてしまいます。
 こういう劇中劇のような構成が楽しかったです。

「白鳥になった王子」では、白鳥の王子が人間の姿で競馬祭に出ている間に、奥さんが家に残っていた皮を焼いたためにもとの姿にもどれなくなってしまいます。他の本にもこんな話がありましたっけ。

 行きずりの幽霊に気に入られて(笑)親友になる約束を交わしてしまい、泣くに泣けず、笑うに笑えない状況になってしまった若者のお話「幽霊とおくびょう者」。どこかのんき、というか、とぼけた感じが楽しい。

 拾った銀貨をネコババすることもなく持ち主に返したのに、あやうく難癖をつけられそうになった「もどった銀貨」や、公平で知恵のある村人が裁判官よりも賢くもめごとを解決する「チャアルカンのさばき」などは、物語の面白さと訓戒がぎゅっと凝縮された短編でした。

 どのエピソードも構成もとても楽しいです。

 ただ、中国の子供になじみやすくするためか、事柄や人名を変えてしまった点が「チベットのお話」にしては違和感がありました。
 訳者あとがきによれば、帝釈天→天帝、nam mkhav lding(チベット語)という仏教説話の神鳥→鳳凰、と変えられているとのこと。雪山隠士とか金花・銀花などの人名ももとは違うのでしょう。
 チベットなら、タシさんとかペマさんの9人や10人(笑)出てもおかしくないと思うのですが、1人も出てきません

 あと、ラマが悪者を演じる話が多いのも気になりました。業突く張りだったり、人をそそのかして殺人を企てたり。また、慈善家ぶった商人が信心深くお経を上げるくせに奴隷を鞭打って働かせたりしてます。
 私も民話は数冊しか読んでいないので、「チベットに悪徳ラマの話など無い」とは言い切れませんが……でも、ちょっと多すぎでは? 反対に、高徳の僧など一人も出てきませんし。

 どうもすっきりしないので、原典を読みたいものです。もとは「死体のはなし」というらしいのだけど(怖)、せめて英語で書かれた本はないだろうか??
(2010/5/8 読了)

目次

ものいう鳥をたずねて
金沙江の女軍
慈善家とカメ
九色鹿
如意宝
竹娘
チャアルカンのさばき
三人のラマの本心
双頭の鳥
ジャーマの機転
しっぽと頭のあらそい

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  1. 2010/06/06(日) 11:05:49|
  2. 文芸・民話|
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