チベット 本の苑

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「約束の庭 - 中国侵略下のチベット50年 -」

(風彩社)

書影 約束の庭

約束の庭 - 中国侵略下のチベット50年 -
中央チベット行政府 南野善三郎


この本はアマゾンなどでは取扱いがありません。こちら↓から購入できます。

チベット交流会
http://www.tibet-jp.com/

ダライ・ラマ法王日本代表部事務所
http://www.tibethouse.jp/



原題「Tibet Under Communist China : 50Years」(2001年発行)。侵攻後のチベットで行われた弾圧と政策が引き起こしたこと、2001年から進められている「西部大開発」の内容とその影響を検証する。チベットの社会体制や中国政府によるプロパガンダへの反証などを付章に収録。巻末に図版、地図、地名表あり。



 よく新聞記事などで見る言葉「高度な自治」どころか、現状は「実質の無い自治」であることが淡々と述べられています。
 取り上げられている問題はチベットの人権、軍備、環境問題など多岐にわたり、でも各章とも15~20ページ程度とざくざく簡潔にまとめられています。問題別かつ年代別に比べ見ることもできて、とてもありがたい本でした。

 特に興味深く読んだのは、九章「対話」、七章「天然資源」、十章「開発」。

 九章は以前に読んだ「ダラムサラと北京」と重なる内容で、その前後の年代の出来事にも触れてあります。
 あれだけ対話がすれちがった挙句、中国政府が「ダライ・ラマの死を待つ」という結論を出していることに絶句しました。

 そして、七、十章は先々月に見た映画「メルトダウン・イン・チベット」と直結な内容。
 森林伐採や遊牧民政策が環境に与える悪影響、そして西部大開発の4大プロジェクトが大なり小なりチベットに関わっていることが書かれています。

「西気東輸」「西電東送」「南水北調」「青蔵鉄道」――プロジェクト名を見ただけで、資源を沿海部へ吸い上げるものだとわかります。
 恩恵に与ることができるのは都市部であり、地方は搾取される、ということ。『都市部が潤うことが、ひいては地方の益に』というのが政府の主張かもしれないけれど、利益が国有企業や契約によって事業を行う外国企業におさまれば、東トルキスタン(新疆)やチベットには返ってはこない。
 そして、天然資源は経済の「源」だけれど、要するに自然からの借金。 貰いっぱなしで使い放題にすれば、取立てがある。しかも、地球は紙切れや金属片での返済は受取らない。中国経済の発展とはまったく別次元の問題なのですが……。

 夢をさそうように美しい題名ですが、重い内容でした。
 チベット人が信じた約束もあれば、信じてもいないのに押しつけられ、かつ破られたものもある。そのなれの果ての現状ということでしょうか。
「中国に関心を持つビジネスマンや一般の読者にも読んで欲しい」と冒頭のはしがきにあるように、確かにチベット問題が引き起こす影響の大きさが感じられるような本でした。

(2010/8/6 読了)


目次
一章 国家の消滅 
二章 改革と経済的統合 
三章 弾圧
四章 心
五章 教育と医療 
六章 人口政策
七章 天然資源 
八章 軍備
九章 対話 
十章 開発
十一章 青蔵鉄道 

付録一 歴史から見たチベットの現状
付録二 チベットの古い社会体制
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  1. 2010/08/23(月) 22:05:53|
  2. チベット問題|
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