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雑感:みんぱくにチベットを探して

週末に大阪府吹田市の国立民族学博物館へ行ってきました。

展示品が膨大、会場はだだっ広いので一日では絶対に見切れない。好きな人なら泊まり込みで見学したい、と一度は思う「みんぱく」。
「みんぱくで泊まろう! ゲルの組立ても体験できる」とか「朝食つき。ナンを焼いてみよう!」(焼けるまで食べられないのか)とか、企画したら受けると思うんですけど。

それは、さておき。


国立民族学博物館HP
http://www.minpaku.ac.jp/

特別展:「深奥的中国― 少数民族の暮らしと工芸 ―」(会期: ~2008/6/3まで)
http://www.minpaku.ac.jp/special/china/


 特別展

 展示会期が終了してますので、感想として。
「いろんな少数民族の紹介が見られるのかも。チベットもたくさんあるかも」と期待していましたが、主に取り上げられていたのはチワン族、ナシ族でした。

 1Fでは、中国最大の少数民族・チワン族の住居の再現展示が見られました。広西チワン族自治区の農さんというご家族の家がモデル。
 チワン族の住居は高床式で、1階に家畜、2階に人間が暮らすのだそうです。展示されていたのはこの2階部分。壁に子供用の文字学習ポスター(中国版ひらがなれんしゅうひょう?)やら、何故か酒井法子のポスターが貼られているのが微笑ましいです。子供達のあこがれのお姉さんなんだろうか。主室に展示されているTVでは、時々中国国営放送が映っていました。

 他には、チワン族の正月や中秋節など年中行事に使われる品々が見られました。獅子舞のような道具や飾り灯篭です。こちらは、作りがちょっと雑な感じがしてしまい、物足りなかったです。灯篭も火をともせば、もっときれいに見えるのかもしれませんけど。


 2Fでは、ミャオ族、イ族その他の民族衣装の展示、着付けや機織風景のビデオ上映、「雲南 COLOR FREE」というロードムービーの上映が行われていました。

 ここは、とても面白かったです。
 プリーツスカートや錦織、刺繍の美しさといったら! そこらへんのお店で売っている洋服とは品物の格が違う。聞けば、数ヶ月かけて手作りするそうで。まさに一品ものなのです。

 着付けのビデオでは、いろんなことがわかりました。
 髪の毛をどんな風に結うととんでもない形になるのか(笑)、また、着付けの途中段階を見ると、表から見えないものを身に着けているのがわかるのです(冠の下に隠れる花飾り、スカートの下の飾り帯など)。
 刺繍はパーツごとに時間をかけて作られ、できあがったものをつなぎ合わせるそうです。細い帯を縫い合わせたようなスカートのかたちは、それが理由なのかなあ、と思ったり。また、短いスカートと脚絆という衣装は初めて見ました。
 ミャオ族の銀細工の腕輪や胸飾りは見事。細いひもが絡まったような、鳥の巣にも似た形はどうやってつくるのだろう、と不思議でなりません。

 そして、今回喜んだことのひとつは、この展示が「今も生きているファッション」として民族衣装をとらえていることでした。会場に入り、展示された衣装をひと目見て「あ、これは着てみたい」と感じたのです。

これは私の推測なのですが。展示衣装を着せてあるのは、アパレルショップで使われるタイプのマネキンではないかと思うのです。
こう、頭が小さくて、足がすらりとして、指先のかたちも繊細につくられてまして。そのおかげか常設展の民族衣装とは見え方がまったく違うのです。こういう展示を民族学博物館で見られるとは思いませんでした。軽やかでおしゃれ――もっとも、東南アジアあたりの女性の重心の低さとか、ふくよかな美しさを感じにくいのは惜しいのですが。
 他のお客さんの反応も、
「この靴、おしゃれやーん」「中敷も可愛いのあるで」「○○ちゃん、これ似合いそうやわあ」
 こんな声があちこちで聞かれて、楽しそうでした。

 また、会場で上映されていたロードムービーは雲南省の民族衣装を延々と映し続けたものでした。

「雲南 COLOR FREE」
http://www.colorfree.jp/

 おや、もしかして……と思ったら、やはり「Tibet Tibet」を撮られたキム・スンヨンさんの作品でした。今回はまた少し趣向が違いますね。
 撮影されているどの民族衣装もおしゃれ、なんですよ。華やかなミャオ族の衣装の足元にパンプスを合わせたり、全身黒ずくめでさっそうと歩くヤオ族の女性にも見惚れるばかりです。

 ひとつ不満があるとすれば。
 撮り方が全編同じスローモーションの多用、ビデオクリップ映像のようだったことでしょうか。
 ファッション性をつよく表現するためか、とは思うのですが、現実感が薄まることで「こんな文化があるんだ!」という驚きも弱くなり、かえって足枷になってしまっているようにも見えました。
 間にはさまれている夕暮れの風景、棚田、ひとびとの暮らしを取り巻く自然。さらに、ひとびとの声、生活感がともに伝わってきたならば――衣装のこの鮮やかさも、もっと深く記憶に刻まれたような気がします。

 この映画にはいろいろ感じるところがありましたが、それはまた別の記事に。



 常設展
 
 ここには15年ほど前にも見学にきたことがあります。しかし、あまりの広さに半分も見られなかったのでした。
 今回の目的はチベット――つまり東南アジア、東アジア展示室が目的だったので、前半は歩き飛ばしました。

「これまで写真でしか見たことのない、いろいろなものが見られるのではないか」

 たとえば、祭りの衣装、普段着、五体投地用グッズ(手にはめる靴のような?)。馬具、農具、タルチョー……。ものすごく期待したのですが、正直、物足りなかったです。

 中国地域コーナーの一角、チベットの展示には、バター茶攪拌器と籠、ツァンパの粉入れ、テーブルと楽器があるだけ。品物もばらばらで、何だか生活感が感じられません。それでも他の少数民族の人口比から考えれば、ましな扱いなのかなあ、と思ったり。

 それでは仏教という切り口では、と気を取り直して東南アジアの展示室へ。

 名前を覚えられなかったのですが、こちらでは何種類もの仏像が見られました。また、ブータンの曼荼羅、ネパールでしか見られないという石の曼荼羅も興味深かったです。
ですが、やはりチベットから集められたものが少ないという印象でした。楽器も仏像もブータンからのものが多かったです。

 中国文化コーナー、インド(と周辺)文化コーナー――そのどちらにもチベットからの物がほとんど展示されていないということに、何とも複雑な気持ちになりました。


 全体的には、とても楽しかったです。
 オセアニアから南北アメリカ、ヨーロッパを経てアフリカへ、というように、ちゃんと昔の人間の移動に沿った形で展示を見られるのがいいです(しかし、展示場があまりに広くて、インドに入る手前と、タイで行き倒れるところでした)。
 北アジアはシベリア経由で北海道入り、本州をかけおりて、沖縄が終着点。ここから、東南アジアや朝鮮半島コーナーへ戻ることができるのも工夫されてるなあ、と感じました。
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  1. 2008/06/03(火) 22:57:06|
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