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「新・民族の世界地図」

最近、読書時間がずいぶん減っております。
でも、読むジャンルはゆるゆると広がっているので、チベットと直結しない本も載せていくことにしました。

関東も早々に梅雨明け。意外と雨が少なかったような気がします。
どなたさまも熱中症にお気をつけ下さい~



新・民族の世界地図 (文春新書)新・民族の世界地図 (文春新書)
(2006/10)
21世紀研究会

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世界の主な民族紛争、宗教・言語からみた民族問題などを概観。「正義と悪」の二元論ではわからない、世界の「今」を見る。2006年発行。「民族の世界地図」(2000年)の改訂版。


民族とは何か、という定義から、宗教会派と民族問題の関係、言語の広がりなど基本的な説明。また、巻頭には「第二次大戦後の世界の紛争地図」があり、ルワンダとソマリアがごっちゃになりがちな私などにはありがたいです。

 北アイルランド紛争、グアテマラ内戦、南北朝鮮問題、チベット、ネイティブアメリカン、アイヌ、ダルフール問題、チェチェン、パレスチナ問題などなど――個々の解説は簡潔ですが、ポイントはきっちり押さえられている印象。
 ともかく、これだけの数を新書で取り上げたというところがすごい。「国」という概念で世界地図を分割することの無理な側面が感じられました。これは社会人一般にお奨めな本だと思います。


 特に印象的だったのは――。
 今の多くの民族紛争の原因が、19世紀の帝国主義によって撒かれたという点。特にイギリス! インドやチベットだけじゃないんだ。中東にアフリカに……。九尾の猫、じゃなくて五枚舌外交だ。

 部族社会とか植民地政策というキーワードだけで片付けるわけにはいかない。だが、「部族」にまつわる差別的な概念と、「部族」はつねに対立するものだという偏見が、植民地権力の側からおしつけられたものであることは間違いない。 (218p)

 これはアフリカの民族紛争の項の一文。
 そもそもは概ね平和に暮らしていた人々の間に争いを起こし、陰で宗主国が権利を掠め取っていた。その争いや憎悪が100年経っても終わらない、などと誰か考えただろうか??


 もうひとつは、少数民族の言語についての章。少数民族の言葉の運命は、その国の言語政策と、話し手が母語をどう意識するかによって変わる、と語られています。
 母語にしろ他の言語にしろ、他人から「話せ」「話すな」と言われるのは嫌なものです。そう言っているのを聞くのも同じく。

 言語政策について、目にとまったニュース記事からの抜書きを載せておきます(確か毎日だったような。元記事は無くなってしまいました)。

「絶滅危機のブルトン語、フランスは多様性と向き合えるか」
「自分の言葉や出身や伝統を捨て去れば、フランス人であることの素晴らしさを享受できるという考えだった。しかし2代目、3代目は、現実にはそうなっていないことに気付いている。私の両親はすべてを捨てろと言われ、そうすれば仕事に就き、近代的な生活ができると言われたが、長い間それは実現しなかった」
(2008年には地域言語を「フランスの文化遺産の一部」と認定する憲法改正案が議会を通過)


 最終章は中国やインドの台頭によって加速化されるエネルギー争奪戦について。
 資源戦争をいうなら、石油や天然ガスだけではなく食料や水をめぐるそれも読みたかったけど、これは別の本をあたってみます。
(2011/1/21 読了)



目次

第一章 民族と言語 
第二章 民族と宗教 
第三章 民族の移動
第四章 先住民族・少数民族 
第五章 民族対立・紛争 
第六章 中東・アラブとユダヤ 
第七章 エネルギー争奪戦

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  1. 2011/07/09(土) 20:50:08|
  2. 民族問題 全般|
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  4. コメント:0

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