チベット 本の苑

チベット関連の本の紹介

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。


  1. --/--/--(--) --:--:--|
  2. スポンサー広告|
  3. トラックバック(-)|
  4. コメント(-)

「中国最大の弱点、それは水だ! 水ビジネスに賭ける日本の戦略」

まだまだ暑いから、というわけで水の本です。ちょっとうすら寒くなるかも。


中国最大の弱点、それは水だ!  角川SSC新書  水ビジネスに賭ける日本の戦略 (角川SSC新書)中国最大の弱点、それは水だ! 角川SSC新書 水ビジネスに賭ける日本の戦略 (角川SSC新書)
(2011/01/08)
浜田 和幸

商品詳細を見る





ますます深刻化する世界的な水不足。各地で水をめぐる紛争が起こり、食糧争奪戦争も勃発している。また、隣国・中国の水不足も早急に対応を必要とする問題だ。中国が狙うのは日本の豊かな自然、つまり水資源だ。脅威の時代に日本がとるべき道は? 世界の水ビジネス戦争に勝ち残るための日本の戦略は? 水危機に直面した中国に対応するための方策も論じる。



 のっけから何ですが。タイトルのつけ方が意味なく過激ですね。出版社の意向なのか、著者の主張なのか。
 世界の水不足の深刻さ、そして近隣国の水事情に対して日本の戦略が遅れすぎ、という内容でした(どれだけ端折るんだ)
 そして、どこかで見た名前だなあと思っていたら、著者は一本釣りで最近話題になった方でした。


 肝心の本の中身ですが。興味深く読みました。
 水が豊富な日本に暮らしているとぴんとこないけれど、世界中をみれば、人間が利用できる水がいかに少ないか、それが今どのように涸渇しつつあるのかを生々しく教えられる本でした。即座に水筒を買ってしまいました(笑)

 二章に書かれた、世界の水問題の現状はかなり恐ろしい。
 地球上の水のほとんどは海水で、真水は2.5%。しかもほとんどが氷や地下水であるため、容易に手に入れられるのは0.01%にすぎないそうです。それが、世界の主要河川の七割が涸渇の危機にある、という。

「20年以内に我々人類の文明は水不足による崩壊現象に直面するだろう。地球規模で淡水が不足し、農業生産が深刻な被害を受けることは避けられない。」 
(2009年 スイス 世界経済フォーラム)

 20年という具体的な数字の真偽はともかく、世界中がこれまでと同じ経済活動を続けることは無理、とはっきり結論出されてしまいました。
 このウォーター・クライシスの要因のひとつに挙げられていた仮想水という考え方、そして、三章に書かれたペットボトル水と水道の比較に特に興味をひかれました。

 仮想水(virtual water)は、農・畜産物を輸出入すると、同時にそれを生産するために使われた水も売買されていると捉えたもの。
 例えば、小麦1Kgつくるために必要な水は1t。米なら2t。牛肉1Kgを育てる飼料穀物をつくるために水20t。オレンジジュース1カップのために水850リットル――。
 特に、生産性を重視した遺伝子組み換え作物は、土地の気候風土に合った伝統的な農作物に比べて、より多くの水を必要とするのだそうです。こうしてみると、食糧輸入国である日本は実は大量の水の輸入国。地産地消の大切さや、食品廃棄(とそれを促す商形態)が問題だということもよくわかりました。

 また、水道水とペットボトルの比較も面白かったです。
 水道水の千倍もの値段を払って、外国の水源地を涸渇させながら、水道水より味がいいわけでもない、安全とも言い切れないペットボトル水を買う必要性はどれだけあるのか、という問いかけ。私はもともとミネラルウォーターは買わないけれど、確かに水道で十二分な気がします。

 そして、著者の展望は――。
 水道代を値上げしても上・下水道を整備する方がペットボトルよりも経済的。何故なら、水道インフラに資金が投入できれば、所得に限らず誰もが安価で安全な水を得られるから。
しかも、整備技術や運営ノウハウをビジネスに結びつけることもできる。中国などの深刻な水問題を抱える国との水ビジネスを国をあげて進めるべきではないか。

 経済も環境も政治も、つなげて考えるのは大事。私はこういう考え方が好きです。
 しかし、忘れられてはならない言葉も。

「投資家の目にはエネルギーも食糧も水も、投資商品として同じである。しかし、石油は枯渇しても人類は生き延びられるが、水が涸渇すれば人類は滅亡する」

「生命維持に欠かせない水という資源を、単なる売買の対象として扱うこと自体が大きな問題だ」


 ハイリターン、とか言ってる場合じゃないってことですよね。


 現代人が何をどうしても環境にやさしくないのでは、と思えてきます。日本の水技術の希望(?)の海水の淡水化でさえ、廃棄物が生態系に悪影響を与えるなどと言われると、もうどうしたものだか。
 結局、何にでもプラス面マイナス面があることを自覚しつつ、ペットボトルをやめるとか、不買運動するとか、できることをちまちまとやるしかないのか。

 この本を手にとったのは「メルトダウン・イン・チベット」を見たのがきっかけ。
 あらゆる動植物と共存してきたチベットの生活スタイルがヒマラヤの環境を守ると言われても、正直なところ「それは、ちょっと気長すぎるよ……」と思っていたのですが。
 しかし、実はそれが一番の近道なのかも。やっぱり、人間みんなが「ほどほどに」しておくのが一番の解決方法らしい。
(2011/7/10 読了)



目次

第一章 深刻化する中国の水不足 
第二章 世界を襲うウォーター・クライシス 
第三章 脱・ペットボトル水
第四章 ウォーター・マネー 
第五章 世界に誇れる日本の水道技術 
第六章 問われる日本の水戦略





おまけの読書。
芋づる式に読んでいったら、チベットから遠く離れてしまった。
アイガモ農法とか稲の品種改良の本を読むことになろうとは。


21世紀の水とコメ―地球における水の循環と循環型食糧「コメ」 (マクロエンジニアリング叢書)21世紀の水とコメ―地球における水の循環と循環型食糧「コメ」 (マクロエンジニアリング叢書)
(2006/11)
綿抜 邦彦、秋吉 祐子 他

商品詳細を見る


20世紀は石油に代表されるエネルギー資源の時代だった。21世紀は環境の時代といわれ、循環型社会が提案されている。循環型資源の代表・水と、循環型食糧といわれるコメについて考える。


第一章 21世紀は水の世紀  ― 綿抜邦彦 
第二章 21世紀のコメ ― 都留信也
第三章 水田稲作共生システム ― 都留信也
第四章 循環型社会の稲作システムの模索 ― 秋吉祐子 増子隆子




不都合な真実 ECO入門編 地球温暖化の危機不都合な真実 ECO入門編 地球温暖化の危機
(2007/06/27)
アル ゴア

商品詳細を見る


原題「An Inconvenient Truth」。人間の文明はいまや環境を深刻に傷つけるほどの力を持っている――温暖化の影響は急速に地球を蝕みつつある。氷河、森林、海洋では何が起きているのか。写真と図解によって、地球温暖化の全容をわかりやすく解説する。

アル・ゴア著「不都合な真実」に説明を加え、よりわかりやすく、読みやすく編集された本。元の「不都合な真実」の科学的信憑性を疑問視する意見もあるので、内容をまるまま鵜呑みにするのは良くないのかもしれませんが、環境問題への視点の持ち方とかアクションの起こし方へのヒントなど、いろいろ学べる本だと思います。

第1章 変わりゆく地球
第2章 無言の警告
第3章 冷たい確かな証拠
第4章 ハリケーン警戒 
第5章 極端な大雨、極端な少雨 
第6章 地球の果て:北極 
第7章 地球の果て:南極 
第8章 新しい地図?
第9章 深刻な問題
第10章 健康への害
第11章 崩れるバランス
第12章 衝突コース 
第13章 技術の副作用 
第14章 「真実を否定してはならない」
第15章 危機=チャンス
 
スポンサーサイト
  1. 2011/09/04(日) 16:20:39|
  2. 環境問題 全般|
  3. トラックバック:0|
  4. コメント:0

チベット系映像情報 9月~ | ホーム | 「MONGOL - 草原を渡る風 -」

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバックURLはこちら
http://gnamlinka.blog50.fc2.com/tb.php/173-498bcf2b

| ホーム |

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。