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ケサル大王

先月から楽しみにしていた映画「ケサル大王」見に行きました。

チベットの英雄叙事詩。一説によれば、インドの「マハーバーラタ」よりも長い、ということは世界一長い叙事詩。チベット仏教圏に広く伝わっており、中央アジアやモンゴルでいまも語り継がれているそうです。

どんな映画なのか、行く前までまったく想像がつかず、
「実在してないケサルをどう撮るの? ファンタジー映画じゃないよね? 全編、仮面舞踊だったりして。いや、それもいいかもなあ」などと思ったりして。

デモで「Free TIBET!」と声をあげる時に思ってるチベットとは少し違う、仏教の難しい話(私には・汗)ともちょっと違う――また別のチベットの一面が楽しかったです。






チベットの誇り 天に一番近い英雄
「ケサル大王」
http://www.ivj.jp/gesar/gesar.html

アジアの大河の源、いわばアジアの命の源に誕生し、東チベットの草原の民が理想と願いをこめた世界最長の英雄叙事詩「ケサル大王伝」の主人公です。神秘的な語り部が今なお存在し、生命力あふれるケサル大王を浪々と語ります。「ケサル大王」とはどんな英雄で、人々はどんな思いを抱いているのでしょうか。     
5年に及ぶ取材は「東チベット」の自然環境と社会の変動も捉えました。映画 「ケサル大王」はチベットのもう一つの豊かさ、魅力、そして現実を伝えます。チベット文化の素晴らしさを壮大な英雄叙事詩を抜きに語ることはもうできません。
(監督 大谷寿一 上映2時間) 





東チベットの自然や生活と結びついて今も生きているケサルの物語、そして英雄ケサルを称える人々の言葉がたくさん語られていました。

ケサルの本も面白かったけれど(本の感想はこちら)、仮面舞踊の鮮やかな衣装、また口承伝説らしく、語り部の語りを聞くことができたのも面白い。何よりも、英雄ケサルが東チベットの人たちに親しまれていると映画全編から感じられたのがよかったです。

カム(東チベット)の放牧生活や競馬祭はケサルの物語にも出てくる風景だし、仮面舞踊を見物に来た人たちがわくわくしながら「ケサルはみんなの憧れだ」「会えて嬉しい」と語っていて。
きっと彼は実際にケサルに「会った」のだろうと思う。ほんとうに誇らしい英雄なのだなあ。

          *   *   *

特に印象的だったのは、ケサルが武器を隠したとされる聖山で行われた儀式でした。
近年、山のふもとではウサギが大量に繁殖して地面を荒らし、氷河も後退して水が減っている。原因は異常気象や鉱山開発だと考えられています。
これを「大地から力が奪われているため」と考え、「力を戻すために、宝袋を大地に埋める」という儀式が地元の僧侶を中心に行われます。
たくさんの人が参加して色鮮やかなルンタを結び、丘の斜面に地上絵のように巨大な仏塔を描く。
儀式の当日には、みんなが花束を手に手に集まってきます。「宝袋」、つまり加持を受けた仏具やおそなえものを地中に埋め、そして、最後には剥いだ土の表皮をかぶせて、もとどおりに埋め戻してしまうのです。


「これが、私たちのやり方です」

と、中心になった僧侶がおだやかに語っています。祈りの力によってきっともとどおりになるでしょう、と。

科学的にはともかく、ですが。
でも、慈悲深い王として国々を治めたというケサルの聖地にふさわしい儀式といえるのでしょう。もとどおりに土をかぶせる、というところに謙虚さがあると思うのです。
そして、そこには繁殖しすぎたウサギを毒で駆除したり、鉱山開発によって聖地を汚す、政府への反抗と気概が秘められているようにも感じました。

他にも、競馬祭で賞金とオートバイをゲットした若者の脳裏には、同じように競馬祭で優勝した英雄ケサルの姿が浮かぶだろうし。ホル国に攻め込まれてケサルの帰りを待つチュグモの話を聞けば、一日も早くチベットに帰ってきてほしい方のことが思われるのかもしれない。

伝承が「生きている」というのは、単に語り部がいて人間国宝に指定されることではなく、こういうことなんでしょうね。

          *   *   *


ケサル伝承をめぐる複雑な事情を思わせる映像もありました。

丘の上から町を見下ろす巨大なケサルの石像はいかにも威圧的。誰が資金を出して誰に作らせたのだろうと気になりました。
それでも、町中の小さめのケサル像にはカタがかけられて大事にされているようですが。
また、慈悲と戦の二つを司るケサルが勇猛な王としての力を発揮してくれることを願う人もいるでしょう。


ケサルは、それを語り、受け継いできた人たち(モンゴルや中央アジア、チベッ ト)のものだと思う。
そういえば、ブータン国王の戴冠式のあいさつにも「As the king of a Buddhist nation...」という言葉がありました。仏教王として地を治める、という思想がもとにあるんですね。

ケサル大王伝は、現代でも続いていていることも魅力的なんでしょう。
仏教文化がアジアに続いているかぎり、続いていく物語――これからも楽しみに情報を集めたいと思いました。

          *   *   *

東京ではあと一回の上映が予定されています。

12/17(土)東中野駅 西口 ポレポレ坐 にて  午後2:30開映 1500円(当日券) 

政治的事情でテレビなどで大きく取り上げることはできないそうですが、ぜひ続けて自主上映していただきたいです。
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  1. 2011/12/11(日) 17:23:13|
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