チベット 本の苑

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ペマ・ツェテン映画祭

「オールド・ドッグ」の監督さんの映画と聞いて、楽しみにして行きました(^^)

さりげなく、抑えめで、でも明確。
いろんな意味やメッセージが幾層にも折り重なってできてるような見ごたえのある映画でした。



チベット文学と映画制作の現在
http://tibetanliterature.blogspot.jp/




■ 静かなるマニ石

still_1.jpg



チベットの僧院で暮らす少年僧が主人公。村にようやく電気が通じ、正月に実家に帰った少年は兄が買ったテレビと「西遊記」のDVDに夢中になる。新年には村人たちの手でチベット古典劇「ティメー・クンデン」が上演されるが、少年も久しぶりに会う妹弟たちも興味を示さない。少年は師匠である僧侶にも「西遊記」を見せてあげたいと父親に頼んでテレビを寺に運んでもらう。


目をひくような特別なことは何もおこらず、なのにスクリーンに引き込まれてしまう。ちょっとユーモラスな場面もあり、どの人物も会話も生き生きしていて目が離せない。

印象的だったのは、僧院の外では僧侶がどんな存在であるのか、ということ。
家に帰れば「この子は僧だから上座に」と言われ(日本人的には「えっ、おじいちゃんが家長なので上座でしょ」と思う)、近所の人の生死に行き会えばお経を求められる、チケット売りも「俗人なら返金しないけど、僧侶だから」と当然のように言う。

少年僧たちはこんな風に大事にされながら、僧侶としての自覚を強めていくのかもしれない。僧侶が俗人を支えるように、俗人の社会も僧侶を支えているんだな、と思いました。
映画の少年僧を演じた少年(実際に僧侶だった)はその後還俗したそうですが、他にも懐にお面をしのばせて僧院へ帰って行くような子はたくさんいるのでしょうね。

題名のマニ石やそれを彫る老人はチベットの文化の危機を象徴しているのだろうか、と思うとせつない。
でも、お面を手に僧院へ駆け戻っていった少年も、俗人の手でも支えられてるチベットを表していると思いたいです。


■ ティメー・クンデンを探して

tmkndn.jpg

チベット古典劇「ティメー・クンデン」を演じられる役者を探して旅をする映画監督とスタッフたち。だが、どの村でもこれと思われる役者が見つからない。その道中、撮影隊のガイド役をつとめる社長の初恋の思い出が語られる。



切々と初恋の物語をきくロードムービー。
カラカラに乾いていそうな風景、その中で一点だけ鮮やかな紅色のスカーフが印象的でした。

重要なモチーフである「ティメー・クンデン王子の物語」は、持てるものすべてを布施すると誓い、自分の子や妻、ついには自分の目まで盲目のバラモンに与えようとする王子の話。利他の心を教える物語で、言ってみればチベット文化の価値観の体現のような人物像。
ところが、これを演じられるチベット人がなかなか見つからない。


現代のティメー・クンデンと噂の老人は、もう年をとったから、と断る。
自分の誓いのために妻子を差し出してしまう奴など大嫌いだ、という歌手。
チベット劇を演じられない劇団。
チベット語は見れば読めるけど詩は覚えてない、という少女。

もしかしたら、ティメー・クンデンを探している、見つからない、どこにもいない、ということ自体が強烈な暗喩になっているんだろうか。

劇中劇という設定も好きでした。
ティメー・クンデンの三人の子どもの演技が真に迫っていて、思わず涙が出そうになった。
この劇は「静かなるマニ石」の中でも村人の手で上演されていてチベットではとても馴染みのあるお話らしい。お芝居と現実をごっちゃにしてしまう人物がどちらの作品にも出てくるのも面白かったです。

ティメー・クンデンの映画の役者を探す、この映画を見ている自分も映画と現実がぼやけてしまったような、不思議な気分になった。どうも、監督のしかけにまんまとはめられた気がする。

ところで、会場でいただいた冊子「セルニャ」で今回見られなかった作品「草原」の小説版を読むと、マニ石彫りのゾパさんという人がいる。「静かなる~」のソバさんと関係あるのでしょうか。気になる~(^^)

いろんな作品に共通する暗喩もありそう。今回は見られなかった作品「草原」もいつか見てみたいです。

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  1. 2013/12/21(土) 14:19:45|
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