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LEAVING FEAR BEHIND ~恐怖を乗り越えて~

チベット本土からの生の声を伝える映像作品。いつものごとく長文ですみません。

原題:Jigdrel
製作:Filming for Tibet
製作年度:2008年

LEAVING FEAR BEHIND 公式サイト
http://www.leavingfearbehind.com/index.php


2007年10月から2008年3月にかけて、チベット本土で極秘でおこなわれたインタビューを集めたドキュメンタリー映像。
2008年8月に開催される北京オリンピックについて感じていること、強制移住や文化面の抑圧について、チベットに住むチベット人が証言する。



 2008/12/6の東京での上映会へ行ってきました。

 原題はチベット語で「ジグデル」(恐怖を乗り越える)。
 撮影を行ったトンドゥプ・ワンチェンとジグメ・ギャツォは撮影終了直後の3月下旬に逮捕されました。ジグメ・ギャツォは10月に仮釈放されたものの監視下に置かれ、トンドゥプ・ワンチェンは今も行方不明のままです。
 もう周知のことですが、オリンピックの前後にわたって中国国内では人々が自分の意見を口にしたり、また撮影する自由もなかったということです。

 そのような状況のもと、インタビューが行われているのは何もない屋外や個室であることが多い。これは撮影に応じた人を守るためだったのでしょうか。
 言葉を探しながら語る人、思いがあふれてしまう人。前もって決めてあった言葉を言い終わると、恥ずかしそうにカメラの前から離れてしまう人。そして、慎重に言葉を選んでいる人もいました。

 それにしても、彼らが言うのはどれも筋の通ったこと。また、願っていることへのひたむきさを目の当たりにして言葉もありませんでした。(↓の抜書は、web上の英語版をみて私が訳したものなので間違っているかもしれません)

「(オリンピックのために)中国は世界中とたくさんの約束をした。しかし、約束されたはずの自由も基本的人権もない」
「いろいろな国の人が集まって行う平和のイベント。でも、チベット人は大会に参加できません」
「遊牧民は家畜を放牧することが許されていない。これが発展なのか?」

「宗教の自由はまったく無い。ダライ・ラマがここにおられないからだ」
「ダライ・ラマが戻られるなら、嬉しくて、川に飛び込んで死んでもかまわない」



 そして、うっかり忘れそうになるけれど、これは3月の動乱以前の声なのです。
 それにも関わらず、語られる言葉は、

「チベット内の状況は、良くなるどころか年々悪くなる一方だ」
「状況は絶望的だ。私は疲れ果ててしまった」


 この撮影後、弾圧はさらに厳しくなり、インタビューに答えた人たちはどれほど辛い思いをしたのだろう(この時点ですら彼らは涙を流していたのに)、そう思うと胸が詰まりました。

 撮影に際しては「顔を出す必要はない」と説明したにも関わらず、多くの人が「そうしなければ証言する意味がない」と顔を出してカメラの前に立ったとのこと。
 何人かはあまりに無防備な顔つきだったものだから、彼らのその後が案ぜられます。

 こうして世に出された映像は、見た人がそれぞれ受け止めて、ようやく生きてくるものなのでしょう。
 何というか、まだ孵っていない卵を手渡されたような気持ちになりました。


 上映後は、ラクパ・ツォコ氏(ダライ・ラマ法王日本代表事務所代表)のスピーチがありました。

 最初に、11月にダラムサラで行われた亡命チベット人による特別会議と、チベット支援団体会議の簡単な報告。
(内容はダライ・ラマ法王事務所サイトの記事、チベットNOWルンタさんの報告記事と同様でしたので省略)

 そして、今後のチベット支援に関して。
「これまでチベットは欧米から多くの支援を受けてきたが、アジアで注目される日本からチベット問題について言及してもらえれば、アジアの他の国にも影響があるだろう。まずは、(来場者に向って)家族や友人たちにチベットのことを伝えて欲しい」というお話でした。

 会場ではトンドゥプ・ワンチェンの釈放、ジグメ・ギャツォへの監視の中止を求める署名が呼びかけられていました。要請文が印刷されたハガキにその場で署名して、スタッフの方へ渡すこともできました。
 これは、かなり有難かったです。
 以前に署名ハガキを出した時には、「国際郵便って宛名はどう書く? ゴマ粒のような字ですら例文がハガキに収まりません!」と苦労したのです。正直、途中で諦めそうになりました。

 会場では紙のサイズなどという細か~な説明までして下さって(涙)、そこまでして頂いて切手代までお世話になるわけにはいかないと思ってハガキは持ち帰りました。明日、投函します。

 一時間強という短い時間でしたが、考えるところの多い上映会でした。
 英語版の映像は見たことがありましたが、やはり日本語できちんと内容をつかめる方がいい。安心して映像に集中できて、人の表情やその場の空気を感じられるからです。
 自分の母国語で情報に触れられるというのは、それだけで「楽」なことなのだな、と思いました。
 ぜひ、日本語字幕で見ていただきたいです。
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  1. 2008/12/08(月) 00:28:41|
  2. 映像・音楽|
  3. トラックバック:0|
  4. コメント:2

チベット 奇跡の転生 | ホーム | 「チンギス・ハーンの伝説 ~モンゴル口承文芸~」

コメント

いとし~さん、こんばんは(^^)

>上映会

お客さんは100人くらい入っていたかもしれません。
立ち見の人もいるほどでした。

私も遅刻してしまったんですが(仕事が終わってからだったので)、
端っこの席にすべり込ませてもらいました(^^;)

本土に暮らすチベット人の本音を聞く機会は、本当に稀なことなのだろうと思います。
言葉を探しながら話す様子からは、うまく表現されない思いが伝わってきて。
何とも複雑な気持ちでした。

また、東京で上映される機会があったら、いとし~さんもぜひご覧になってみて下さい。
上のようなあやしい訳ではなく、ちゃんとした字幕がついてますから!

コメントありがとうございました。
  1. 2008/12/09(火) 21:37:05 |
  2. URL |
  3. りんか #195Lvy4Y |
  4. 編集

りんかさん、こんばんわ。
~恐怖を乗り越えて~の上映会、都合で参加できなかったので、興味深く読ませていただきました。ありがとうございました。
撮る人も話す人も、命がけのフィルムだったようですね。この伝える仕事をしてくれた人達に敬意を表し、チベットの人々の声が多くの人の心に届くことを願ってやみません。
  1. 2008/12/09(火) 00:02:38 |
  2. URL |
  3. いとし〜 #- |
  4. 編集

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