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チベット 奇跡の転生

       (文藝春秋)
チベット 奇跡の転生チベット 奇跡の転生
(1995/09)
ヴィッキ マッケンジー

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原題「Reincarnation」。1984年に亡くなったチベット仏教僧ラマ・ツブテン・イエシは、スペイン人の少年オセルとして転生した。外国、特に欧米人に対して仏教の教えを広めたラマ・イエシであれば不思議ではないが、しかし輪廻転生はほんとうにあるのか?
弟子のひとりであるイギリス人ジャーナリストが、ダライ・ラマ法王へのインタビューをまじえて、転生とその意味を考える。

第1章 ラマ・イエシとの出遇い
第2章 西洋が試金石
第3章 人間としてのラマ
第4章 ロシア王女、ジーナ
第5章 コパンの壮大な夢
第6章 再びコパンへ
第7章 ラマの死
第8章 死と再生
第9章 オセルの誕生
第10章 生まれ変わりはどこに
第11章 ブビオンの幼児
第12章 確証を求めて
第13章 ダラムサラでの就位式
第14章 ラマ・ゾパは語る
第15章 ダライ・ラマ法王
第16章 ラマ・オセルの物語
第17章 そして、いま



 この本、以前に見かけたことはあったのですが、題名を見て「あ、奇跡は興味ないから結構です」と思って読んでいませんでした。もったいないことをしたな、と思うほど面白かったです。

「転生」は本当にあるのか? 著者自身は「確信した」方ですが、それを信じる人、確証を持てない人、それぞれの言葉を知ることができるのがよかったです。
 型破りなやり方とその慈愛でもって、欧米の若者の心をとらえたラマ・ツブテン・イエシ。前半では、彼の言葉や魅力的な人柄を語るエピソードが弟子たちの証言とともに語られています。
 後半ではラマ・オセルの誕生・成長を見守りながら、転生とはどんなものか、何のために起こるのかを追求しています。

 ラマ・オセルのその後が気になってweb上を検索してみましたが、情報はあまり見つけられませんでした。
 しかし、訳者あとがきにあるように「彼がどんな人間になり、何を世界にもたらすかが大事」であり、転生ということにあまり囚われるのもいけないのでしょうね。

 題名を見るとオセルに注目した本のようですが、著者の書きたかったことは、結局は前半(ラマ・イエシとの交流)に集約されている気がします。
 一回読み終わったあと、試しに9章(オセルの誕生)から再読。最終章から巻頭にもどってラマ・イエシの成し遂げた事を読んでいくと、さまざまな言葉に初回とは異なる思いを抱くこともありました。

 キリスト教文化の中で育った著者がラマ・イエシからもらった言葉は、仏教に馴染みのない私にとっても受け入れやすいものでした。個人的に目をひかれたのは、

「東洋的形にこだわる必要はありません。仏教が浸透したすべての文化は、おのおの仏陀を独自の形で描いています。西欧は西欧の仏陀をうめばいいのです」

「イタリア人の仏教儀式ではスパゲティを振舞ったらいいのに」などと仰る破天荒な方だったらしい。

 そして、しばしば聞かれる「検証してください」という言葉がここでも書かれていました。
 そうか、自分のこの貧弱な頭脳(笑)で、胸を借りるつもりで体当たりしてもOKなんですね。こういうところが、仏教はいいなあ、と最近思い始めました。

 それと同時に、理性だけでなく心に響いてくるあたたかな言葉も多かったです。

「あなた方は自分自身に対して限られたイメージしか持っていません。それがすべてのものの限界――愛の限界、智慧の限界、慈愛の限界のもとなのです」

(2008/12/5 読了)

(2009/6/20追記)
オセル君(といってももう大人)が還俗した、というニュースが最近出ていました。
これに関して「センセーショナルに報道されるだろうが、それに惑わされないで」と、本人が挨拶のコメントを出されたそうです。

原文は
http://www.fpmt.org/teachers/osel/

こちらで白雪姫さんが和訳して下さってます。
http://shirayuki.blog51.fc2.com/blog-entry-375.html

 これを読んだ時に、「チベット 奇跡の転生」の中、ラマ・イエシが亡くなられる前の場面を思い出しました。確か、窓のそばにベッドを置いて、海の向こうの夕日(だったか、朝日だったか)を見ていた、と書かれてましたっけ。

 転生が本当かどうか、私はわかりませんけど。
 この挨拶を読む限り、誠実で知的な青年なのだろうな、と思えました。彼の将来が素晴らしいものとなりますように!
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  1. 2008/12/14(日) 18:18:09|
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