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「中国を追われたウイグル人」

中国を追われたウイグル人―亡命者が語る政治弾圧 (文春新書)中国を追われたウイグル人―亡命者が語る政治弾圧 (文春新書)
(2007/10)
水谷 尚子

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1990年代以降に中国から亡命、あるいは現在も獄中にあるウイグル人たちの証言。亡命ウイグル人への取材の中から武力によらない抵抗をおこなった人々の証言を集めたものであり、中国国内で行われている政治弾圧の一面を描く。

第一章 ラビア・カーディル ―大富豪から投獄、亡命を経て東トルキスタン独立運動の女性リーダーへ―
第二章 ドルクン・エイサ ―「世界ウイグル会議」秘書長―
第三章 イリ事件を語る ―アブドゥサラム・ハビブッラ、アブリミット・トゥルスン―
第四章 シルクロードに撒布された「死の灰」 ―核実験の後遺症を告発した医師アニワル・トフティ―
第五章 グアンタナモ基地に囚われたウイグル人たち
第六章 政治犯として獄中にある東大院生 ―トフティ・テュニヤズ―




 東トルキスタンは1949年以来新疆ウイグル自治区となっていますが、1991年のソ連邦解体後の中央アジア五カ国の独立をうけて、今も独立を求める声が高い地域。
 東トルキスタン関連の本を読むのは初めてなので、今回は私が考えたことのみ書いています。参考にならなくてすみません。

 いくつかの証言の中で印象的だったのは、最初から政府への悪感情を持っていたわけではない、という言葉でした。
 ウイグル人であっても漢人への対立意識の少なかった人がいる。それなのに、彼らが社会への不満、弾圧されることへの反発から、国の体制を敵視するようになったこと。また、(子供のうちには意識しなかったのに)成長するにつれて、少数民族に対する無知・無理解や差別意識に傷つけられたという言葉もありました。
 新疆ウイグル自治区では、1950年代に鉄道が敷かれ、チベットよりも早い時期から大規模な移住が行われた、と聞きます。
 漢化された社会に生まれ、育った子供の抵抗はどこから生じたものなのか。誰が種をまき、何を与えて、咲いた「花」なのか? 摘み、捨てる前に考えるべきだろう。

 また、第五章では、他の章の証言者とは少し異なる亡命経緯をたどったウイグル人5人の話が書かれています。
 彼らは経済難民あるいは政治亡命者で、共通項は「アフガニスタンにあるウイグル人の村を頼って行った」こと。イスラム世界には、豊かな者が貧しい者に施しをする習慣があり、「きっと誰かが助けてくれるに違いないと思った」そうです。
 しかし、同じ宗教であっても政治を理由に彼らを受け入れない国がある。また、政治・外交戦略のため、あるいは世論におされて亡命を受け入れる国もある。個人がまったくスケールの違う事情と向き合って、利が一致すれば生、しなければ苦しみと死を与えられるとは。

 とても厳しい話ばかり。その中で、第三章で書かれたウイグル人タレントが1999年にドイツへ亡命した時の言葉が、とてもシンプルで、かえって胸に残りました。

「嗚呼、たすかった! 私は明日も生きていける。命を危険に晒す心配はもうない。やっと自由の国に来れたのだ」。空港を出たところにある緑地の芝生に身を投げ出して、万感の思いで空を見上げた。

(2008/9/20読了)
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  1. 2009/01/12(月) 12:07:27|
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  4. コメント:2

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コメント

epeaさん>

積読山脈は隆起しますからね(笑)。

この本は、弱っているときに読むのはつらいですね。でも、いい本でした。
私は図書館で借りて読んだのですが、いつも貸出中で数ヶ月待ちしたのです。
それだけ関心を持っている人がいるということが救いでした。

話戻って、ショッピングカート。
私は覚書もかねて、気になったものはどんどん放り込むんですが、何かの拍子にうっかり押してしまったらどうしようと思うと怖いです(笑)。
  1. 2009/01/21(水) 23:34:02 |
  2. URL |
  3. りんか #195Lvy4Y |
  4. 編集

この本、ずーっとアマゾン中古のショッピングカートに入れたままだったのに気づいて、先ほどポチットナーしました。
また一冊、積読が増えないようにしなければ。
  1. 2009/01/21(水) 01:30:07 |
  2. URL |
  3. epea #- |
  4. 編集

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