年明けから平日があわただしくて、とうとう更新がずれてしまいました。
月曜日にここを見に来てくださった方には、すみませんでした。
このままずれていけば、そのうちまた週末更新になると思います。なんて、いい加減な!
先週は石濱先生の講座を聴講しました。
「チベット仏教世界の歴史的展開」 第四回「ダライラマの施主たちの確執」・ダライラマ五世はポタラ宮を建立。
観音菩薩の化身でありソンツェンガムポの生まれ変わりであることを示し、絶対的権威としてチベットを治めた。
・ダライラマ政権の確立とその欠点。周辺国へ仏教を布教することが政権の安定につながった。
・モンゴル、清ではダライラマの施主の座をめぐって争いがおきた。
1720年清朝軍がラサへ進軍、ダライラマ7世を即位させる。
これにより、ダライラマの施主の座はモンゴル人から満州人(清朝皇室)へうつった。 面白かった! 1時間半の歴史映画(石濱先生、活弁士?)を堪能したようだと思いつつ帰ってきました。
チベットはまわりの国へ仏教をひろめ、権力者は仏教を奉じて国を治めるという構図は講座1回目から見てきたとおり。その中でも、ことに劇的な展開が多い話でした。
ダライラマ六世が不品行のために廃位、そして亡くなると、ラサン・ハーンによって別の「六世」がたてられる。清もまたこれを支持する。
しかし、六世の残した歌をもとに別のリタンの少年が発見され、ダライラマ七世とされた。
西モンゴルのジュンガルは、この七世を正当なダライラマとして即位させるという目的を掲げてラサへ向かったが――
――と、ミソの部分はぼかしてしまいたくなるほど、小説を読むように面白かったのでした。
歴史のはなしで興味深かったのは。
ダライラマ政権の安全保障が布教であった、ということ。
「境界をより遠くへ押し広げて、中央を安定させる」というやり方はよくありそうですが、それを武力なしで行っていたとは。世界史のどこでも聞かないですよね。
カソリックの法王庁とか教皇領が思い浮かんだけれど、やっぱり違う気がする。
チベットって本当にユニークな国だったのだな、と思いました。
仏教のことでは、曼荼羅について。
世界は***山(名前を失念)を中心にしており、各方位には色が定められている。それをもとに曼荼羅ができているとのこと。
この考え方に則って作られたものとして、ポタラ宮、清朝の北京の町づくり、満州八旗が挙げられました。
色ひとつとっても、長い時代・広域にわたって同じ世界観が生きていて、建物のかたちとか装飾とか物事の考え方にあらわれてくる。仏教文化圏、広いなあ、と他人事のように考える(←何かおかしい)。
また、今回は聞き覚えのある言葉がたくさん出てきて嬉しかったです。
「弥勒様」は先月bTibetでも聞きましたよ。とんでもなく遠い未来の仏さま。
曼荼羅の色は田中先生の講演(Feel TIBET)で聞きました。その時に説明された曼荼羅とは色分けの仕方が違うようでした。
仏さまのボディガード、護法尊も。
どれもこれも「聞き覚えがある」程度でしかないのが情けないけれど。
まあ、ぼちぼち学ぶことにします。
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- 2009/01/20(火) 22:45:34|
- 雑感|
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コメント:3
epeaさん>
>布教が安全保障、というのは革命的
面白いですよね。仏教だからできたのかな、などと思いました。
多分、現代の人とこの時代の人とでは宗教観も違っていて、宗教はもっと現実的なものだったのかも……と想像爆走。
オバマ大統領の演説は、まだ詳しく内容をよく見てないんですが。
パレードの途中(かな?)に車から降りて、夫人と歩いているところをニュースで見ました。
この方は言葉にしろ行動にしろ、国民に伝えようという意思が感じられて、それが素晴らしいですね。
最近のイスラエルのこととか考えるにつけ「アメリカってどうだか!」と文句を言いたくなり、でも一方で「(いい意味で)何でもあり、の底力の国だな」とも思います。
いい余波がアジアにも伝わることを願いたいですね。
いとし~さん>
いや、私の説明では面白さがちっとも伝わらなくて申し訳ない~。
授業はこの4倍くらい面白かったですよ(^^)。
>王や皇帝と仏教の関係っておもしろいですね
本当に。
持ちつ持たれつだったり、利用モード入ってたり、利害一致だったり。
清やモンゴルにしても、チベットが権威を保っている方が好都合だったのかもしれませんね。
うまくできてるなあ、と妙に関心してしまいました。
>来月は乾隆帝
中国にお詳しいいとし~さんのレポートを今から楽しみにしてます。
清の時代の面白いエピソードなどあったら教えてください~。
次回、また教室で! 「またね」って、再見、でしたっけ??
- 2009/01/21(水) 23:37:31 |
- URL |
- りんか #195Lvy4Y |
- 編集
お忙しいところ更新していただいて、ありがとうございます!
時代もグッと下ってきて、満州族(清)との関係が中心になってきたのですね。
私としては、1番興味をそそられるところです。
今までも習ってきましたが、王や皇帝と仏教の関係っておもしろいですね。
これは他の宗教にも通じることだと思いますが「それじゃ、宗教っていったい何のために?」
という疑問も湧いてきます。
来月は乾隆帝の時代ですね~。今から楽しみです!!
- 2009/01/21(水) 15:32:37 |
- URL |
- いとし~ #Pe0og0Jg |
- 編集
不況、じゃなかった、布教が安全保障、というのは革命的ですね。しかも十字軍のようなものではなく、仏教の布教となれば。
今の世界もそうであればいいのにと、本日未明のオバマ大統領就任演説に一抹の期待を寄せつつ……。
- 2009/01/21(水) 01:28:06 |
- URL |
- epea #pcEsqDro |
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