チベット 本の苑

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ダライ・ラマのビジネス入門

(マガジンハウス)
ダライ・ラマのビジネス入門 「お金」も「こころ」もつかむ智慧!ダライ・ラマのビジネス入門 「お金」も「こころ」もつかむ智慧!
(2008/07/24)
ダライ・ラマ14世ローレンス・ファン・デン・ムイゼンバーグ

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原題「The Leader's Way」。チベット仏教指導者ダライ・ラマ法王と経営コンサルタントとの共著。
相互依存する世界において「私の郷土・国家」という観点だけで物事を考えるのは時代遅れになったのです――グローバル化によって縮みゆく世界では企業はどのような役割を持っているのか、その実践的ノウハウを探る。

Part1 自己を律する
 第一章 正しい理解
 第二章 正しい行い
 第三章 心のトレーニング

Part2 組織のリーダーとして 
 第四章 リーダーの目的
 第五章 ビジネスとしあわせ
 第六章 正しいビジネスを行う

Part3 つながりあった世界のリーダーとして 
 第七章 グローバリゼーションの挑戦
 第八章 起業精神とイノベーション
 第九章 責任ある自由市場経済




Part1では仏教の基本的な考え方(無我、縁起、無常)を取り上げ、それに基づく行動について。
Part2では組織のリーダーに求められること、Part1で書かれた価値観の応用について。
Part3では仏教の価値観をグローバル社会にあてはめ、地球規模の問題への対処を考える。

 仏教をのぞいてみるのに、少しでも日常と接点のある本がいい、と思って購入。「お金も心もつかむ智慧!」という副題には最初はびっくり。なんか、生臭い感じが……。
 ですが、「お金」はきれいな物でもきたない物でもない、という考え方はわかりました。
 ビジネスと仏教という、これまで頭の別の場所で考えていたことが一緒に書かれていて興味深かったです。

 冒頭に「実践的な内容のもの、ビジネスマンがよりよい選択をするための助けとなるものにしようと決めた」と書かれているように、具体的な経営方針の例やトレーニング法が紹介されていて面白い。「富の得方、使い方」チェックシート(笑)があるとは思わなかった。
 後半では仏教的な考えと、マイクロクレジットやコーポレートガバナンスなどの考え方が併せて挙げられ、ビジネスマンには「なるほど。ああいう事か」と実感がわくのではないかと思いました。

 ただ、「世界の経済格差」という問題については、もっと突っ込んだ話を読みたかった。
 中国や東南アジア、インドの安い労働力抜きに先進国の生活が成立してこなかった、という問題点がすっぽり抜け落ちているのが気になります。素人考えながら、フェアトレードのような言葉も出てきてもよかったのでは、と感じました(どう評価するかは別としても)。  

 私が一番印象的だったのは、「ビジネスの役割は収益をあげることではない」という言葉。
 そんな馬鹿な、と咄嗟に思いました。でも確かに、企業が社会的責任を果たそうとする時に、収益というのは手段ではあるが目的ではないわけで。

「ビジネスの役割は収益をあげることだと言うのは、人間の役割は食事や呼吸をすることだと言うのと同じく無意味です。損失を出す会社と同様、食事をとらない人間は死を迎えます。だからといって人生の目的は食べることだということにはなりません」

 わかりやすい譬えでした。
 また、最終章では従来の経済論にも触れて長所と短所をあげています。

 アダム・スミスやその他の経済学者は富の創出にこだわりましたが、富の分配に関しては考えを述べていません。その一方でカール・マルクスは富の分配に興味を持ち、富の創出には関心がなかったのです。

 昨年来の世界のバブル崩壊を考えると、社会主義、資本主義、どっちもどっちということですかね。その上で、「自由市場経済に『責任』という一面を加えたい」という提案がなされています。

 この本は主に企業や政府など組織のリーダーのために書かれていますが、一仕事人(笑)としても頷かされる言葉が多かったです。
 不況の中、気持ちがへこみがちな仕事人にもお薦めします。無用に落ち込むことなどないのだ、と思えて穏やかな気持ちになれました。
(2009/1/10読了)
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  1. 2009/02/05(木) 06:49:17|
  2. 仏教&宗教 全般|
  3. トラックバック:0|
  4. コメント:2

講演会「チベットの薬草と薬」 | ホーム | エベレスト花の道

コメント

epeaさん

>副題
中身を読んだ今も「やっぱり、ちょ~っとあざといぞ」とは思ってます(^^;)。


それはともかく(^^)、去年のダライラマ法王の講演の後、「じゃあ、どうしたらいいの?」と考えた身にはちょうどよかったです。
でも、仏教の初歩の超初歩という感じなので、epeaさんには物足りないかも??

>磨き抜かれた論理体系
確かに。感覚よりも理性に訴えてくる点、仕事場に馴染みやすい思考なのかもしれません。

副題は何ですが、面白かったです。
殺伐としたことをする経営者には腹を据えて読んで欲しいねえ、と考えましたし。
自分には「明日もいい仕事に……できるかな?」と、地味~に思ったりして。

お忙しい中、コメントありがとうございました~。
epeaさんも体調を崩されたりしないよう、お気をつけ下さいね。
  1. 2009/02/08(日) 17:19:21 |
  2. URL |
  3. りんか #195Lvy4Y |
  4. 編集

この本、しばらく前から書店で気になっていました(私も副題を見て「便乗商法?あやしい~」と感じていた口です・笑)。わかりやすくまとめていただき、ありがとうございます。

組織のトップにいる人々はリーダーとして孤独な決断を迫られる機会が多いでしょうから、大局的なビジネス判断において、チベット仏教のように磨き抜かれた論理体系に基づいた宗教や哲学に依拠する側面が出てくるというのは、自然な成り行きであるのかもしれませんね。一仕事人にも役立つと、りんかさんのお墨付きなら、そのうち読んでみようかなぁ(積読分が消化できたら……汗)。
  1. 2009/02/07(土) 21:14:52 |
  2. URL |
  3. epea #- |
  4. 編集

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