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講演会「チベットの薬草と薬」

 チベット医 小川康さんの講演「チベットの薬草と薬」を聞いてきました。

 駅から迷って、開演ぎりぎりに滑り込み。でも、行ってみて気がついた。会場は以前に「THE SHADOW CIRCUS The CIA in Tibet」の上映会に参加した場所でした。
 以前はまっすぐ辿りつき、今回は迷子になるってどういうことでしょう??

 それは、さておき。

「アムチ(チベット医)の表現力は、身・口・意の三つによって実践される。まず、身、つまり手によって、薬と医療器具をつくることに優れていなさい。口、つまり心地よい言葉で患者を楽しませなさい。意、つまり聡明な智慧で、意識を明晰に保ちなさい。(四部医典論説部第31章)」 (配布パンフレットより抜書)

はい。心地よい、楽しい講演でございました。


講演の小川康さんは日本の大学の薬学部卒業後、薬草会社、薬局、農場、ボランティア団体などに勤務。1999年よりインドにてチベット語・医学を勉強。2001年、メンツィーカン(チベット医学暦法学大学)にチベット圏以外の外国人として始めて合格し、2007年卒業。チベット医(アムチ)となる。(主催:カワチェンHPより)

 チベット医学はインドの伝統医学アーユルヴェーダとチベット古来の伝統医療を融合させ、さらに周辺諸国の医療の長所を取り入れて発展したもの(配布パンフレットより)。
 薬草や鉱物の薬、針灸、マッサージなどの治療法を用い、外科手術はしないそうです(ハインリヒ・ハラーも「この20世紀に盲腸で死ぬなんて事態にはなりたくない」とか書いてましたよね)。
 こんな学問……らしいですが、私にはよくわからないので詳しくは省略。
 身の回りのものを薬にする、という考え方が特徴的なようで、「無人島へいってもぼくらは生き残るでしょう」なんて冗談も出ました。

 山野での薬草の採集から乾燥、その後製薬という流れの説明と、学生の実習風景のスライド写真(今、気がついたのだけど、今時はスライドとは言わないのかな)も見せていただきました。

 やはり体験談を聞くのは面白い!
 背負った袋いっぱいになるほど薬草をわしわし採取して、乾燥係の人が広げて乾かすというall手作業。薬草が雨にぬれたり、牛に食われないように(笑)するひと苦労があるらしい。
 昔は学生が製薬に携わることができなかったそうですが、それに満足できずに学生同士が集まって薬用バター(だったか?)と作ったお話もありました。

 また、実際にインドで患者さんを診ておられるわけですが。
 何せチベット語が堪能で、顔立ちも日本人とチベット人は似ているものだから、小川さんを外国人と気づかない患者さんもいるそうです。その小川さんが患者さんとの信頼関係を築くコツと思うのは
「チベット語を話し、読み書きすること。文化を理解すること。そうして、相手と話を合わせていけること」。


 ところで、私はそもそもそうは思っていなかったのですが。
「チベット医学は神秘的なものではありません」とすっぱり言っておられました。チベット医学も西洋医学も「効く原理」は同じである、とのこと。

 年配の患者さんには迷信めいたことを信じている方も多いそうで。占いで来院日を決めてくる患者さんなんて、医師の立場からすれば頭が痛いことでしょう。
 それでも頭ごなしに否定せずに、「その日に僕みたいなのが担当で悪かったですねえ」などと笑顔で話されたのが印象的でした。

 最後に大急ぎのスライドショーで見せてもらった、医薬品タンカの「間違い探し(?)」も面白かったです。(たしか12世紀に編纂されたという四部医典タンカの絵だと思いますが、説明を聞き落としました)
 サイとかワニなど、遠方から伝聞で伝わったものは描き方があやふや。サイなんて鹿かキリンのようです。その一方で、ヒマラヤのブルーポピーなど近所の植物はかなりリアルに描かれているのでした。

 ちなみに、ヒマラヤは何故薬草の宝庫なのか。その理由は「よく研究されているから」。
 東洋・西洋医学と分けずに、その土地ごとの薬草を研究すれば、もっといろんな薬効が見つかる可能性がある、ということなんでしょうか。
 講演の最後に歌って下さったメンツィーカンの校歌はそんな未来を思わせるものでした。

 ――チベット医薬が世界に広まるように、未来にも続くように(大意)


 楽しい語りに客席からは始終笑いがこぼれて、二時間があっというまに過ぎてしまいました。
 そのせいか足取り軽く、元気になって帰ってきました。薬効、薬効!
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  1. 2009/02/11(水) 17:19:11|
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  3. トラックバック:0|
  4. コメント:2

草地戦争 | ホーム | ダライ・ラマのビジネス入門

コメント

いとし~さん

>楽しい講義だったということで、なお興味をそそられました。

話術だけでも癒されました(^^)。

私も医学とか薬草といわれても、どうもぴんと来ませんで。
思い浮かぶのはせいぜい「転んだらドクダミ貼る!」くらいでした(どういう子供だったか、ばればれです)。

そういえば、FEEL TIBETでも医薬書の展示がありましたね。もっとよく見ておけばよかったです~。


>その土地の物を食べて育った人が、その土地に生えた薬草で病を治す。

そう! まさにそういうことを言っておられました!
薬草の成分は生えている土地によって違っていて、(飲む人の)近くに生えているものがいいそうです。

こういう理由でも地産地消がいいんですね。
でも、仰るように難しいことです。うちの近所には畑すらないわ……。

もしかしたら、毎日の食事も薬のように身体を癒すのかもしれないですね。
  1. 2009/02/12(木) 22:14:09 |
  2. URL |
  3. りんか #195Lvy4Y |
  4. 編集

チベット医学という、ものすご~くマイナーな分野(私の認識…)にも、日本人の先生がいてご活躍されてることに、まず驚きです。
チベットの医学は、想像以上に研究し尽くされてきた学問として確立しているんですね。
楽しい講義だったということで、なお興味をそそられました。

その土地の物を食べて育った人が、その土地に生えた薬草で病を治す。
こんな極自然なことが、日本人にはすでに不可能となってしまっているんですよね~。
  1. 2009/02/11(水) 23:33:21 |
  2. URL |
  3. いとし~ #Pe0og0Jg |
  4. 編集

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