チベット 本の苑

チベット関連の本の紹介

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。


  1. --/--/--(--) --:--:--|
  2. スポンサー広告|
  3. トラックバック(-)|
  4. コメント(-)

レイプ・オブ・チベット -中華的民族浄化作戦-

レイプ・オブ・チベット―中華的民族浄化作戦 (晋遊舎ブラック新書 11) (晋遊舎ブラック新書)レイプ・オブ・チベット―中華的民族浄化作戦 (晋遊舎ブラック新書 11) (晋遊舎ブラック新書)
(2008/08/21)
西田 蔵之助

商品詳細を見る



『隣の家から悲鳴が聞こえる』――隣家、中国では何が行われているのか。2008年3月、チベットのラサでの動乱は何故起きたのか。現在のチベットを取り巻く社会問題、抹殺ともいえる文化的抑圧について、長年チベットへ通ってきた著者が現地の声を伝える一冊。

序章 2008年、チベットに何が起こったのか
一章 チベットの「終わり」の始まり ―領土的レイプ
二章 宗教は毒、ダライ・ラマは敵 ―文化的レイプ
三章 120万人の民族浄化 ―人種的レイプ
四章 「刈り取り」が始まった ―経済的レイプ
五章 チベットに自由を!



「チベット人」「中国人」とは誰のことか、という説明にはじまり、ともかく幅広い内容、というのが第一印象。新書なのにこれだけ多くの事柄にふれてあるところに驚きました。
 でも、メリハリがついていて読みやすい。
 チベットの地理、近代史、ダライ・ラマ制度、パンチェン・ラマ拉致といった、これまでに出版されている本と重なる部分はごくあっさりと。そのかわりに、青蔵鉄道がもたらす経済問題、学校教育、僧院での「愛国教育」をはじめとした文化的抑圧と人権蹂躙など、まさにこの数年のチベットが負っているものが生々しく描かれています。
 2008年の春は、私も友人から「なんか、チベット大変みたいだけど大丈夫?」とよく聞かれました。そして、続く質問は「何故、今なの?」「何故、お坊さんがあんなことをするの?」。その答えがすべて書かれています。

 私が興味深かったのは「援蔵」という言葉。
 中国語で『チベットに手をさしのべる』という意味だそうで、「立ち遅れているチベットを助けたい」と思う中国人の若者も多いということは初めて知りました。
 しかし、その好意がかえって仇になることもあるという皮肉な話。個人的好意に疑うところはないものの、思い描く幸福の風景にずれがあれば「援ける」という言葉にどれだけ意味があるのか。

 今回の動乱が起こった背景には、「これだけ豊かになったのだから、もうダライ・ラマや仏教なんて要らないだろ?」という中国の思い上がりと勘違いがある。

 という一文は説得力ありました。

 昨年からあちこちのブログや掲示板で、中国とチベットの関係を「レイプ」、「DV」と譬えた書き込みをしばしば見ました。私は……これは、どぎつい書名だけれど、やはり的確な譬えをした本だと思います。
 でも、異なる連想をすることもあります。例えば、暴力を受けた子供が成長して、自分の子供に同じことを繰り返す図を思い浮かべもする。「幇助罪」という言葉も浮かぶ。いろいろ考えさせられました。

 うまい譬えというのは真実を突く反面、別の見方を忘れそうになる。

 読む方も偏見を持つことのないように注意が必要だと思います。
 いずれにしても、当人同士だけで解決できる状態ではないのが明らかになるのなら、いいことかもしれません。
(2009/3/1読了)
スポンサーサイト
  1. 2009/03/03(火) 23:50:49|
  2. チベット問題|
  3. トラックバック:0|
  4. コメント:0

Undercover in Tibet(チベット潜入) | ホーム | 雑感:仏教をちょっとのぞいてみる 6

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバックURLはこちら
http://gnamlinka.blog50.fc2.com/tb.php/68-b8f1aeec

| ホーム |

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。