チベット 本の苑

チベット関連の本の紹介

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。


  1. --/--/--(--) --:--:--|
  2. スポンサー広告|
  3. トラックバック(-)|
  4. コメント(-)

Undercover in Tibet(チベット潜入)

3/7、代々木で行われた上映会に参加しました。
この日は、昼には中国大使館前での抗議アピールと「チベットの自由を求めるピースウォーク」も行われました。



 チベットで激しい抗議運動が起きた2008年3月、英国Channel 4は3ヵ月におよぶ中国支配下のチベット潜入取材によって撮影された映像を放送した。
 この映像を撮影するために、亡命チベット人のタシ・デスパは彼が11年前命を賭けて後にした祖国を、英国映画テレビ芸術アカデミー技能賞監督のジェッザ・ニューマンと共に再訪した。ダライ・ラマが「文化的虐殺」と形容した実態を暴くため、投獄と強制送還の危険を冒して。

Student for a Free Tibetより転記)

製作:イギリス Channel4 http://www.channel4.com/

(斜体文字で書いた証言は走り書きを起こしたものなので、字幕とは異なるかもしれません)


 何故、チベット人たちはヒマラヤを越えて亡命するのか――その理由を求めて、2007年4月から3ヶ月わたって潜入撮影されたドキュメンタリー映像です。

 収められているのは、遊牧民に対する定住政策の実態、刑務所での拷問について、女性への避妊施術などについての証言。
 監視の目をくぐっての撮影のため、インタビューは夜中や人目につかない町の外、場所の特定のできない室内などで行われています。ある証言者は窓を背に(逆光で顔がわからないように)、ある証言者は頭から僧衣をかぶって、あるいはタオルや帽子で顔を隠しています。音声を変えたり、証言者の胸から下だけを映したケースも多かったです。

*遊牧民の定住キャンプ

 定住政策は、草原の自然環境を保護するため(という名目で)遊牧民に居住地を割り当て、定住させるという政策。
 映されているのは、細長い平屋、長い壁。壁の外には警察車両が停まっている。第一印象は刑務所。
 通りには生活感がまったくなく、建物の間にひるがえるタルチョがかえって寒々しい。粗悪な映画のセットみたいだと思いました。
 映っている女性はインタビューに答えて、

「政府が自分たちの土地を取り上げた。誰もここに来たくはなかったけれど、帰る場所はありません」
「幸せではないのですか?」
「まさか」


 注目したのは、ある定住キャンプへはバスなどの交通手段がない、というコメントでした。それって収容所ですよね。
 こんな場所では生計をたてられない。あとはキャンプを出て町へ行き、乞食をするしかない。先行きに希望が持てないためにアルコール中毒になる人が多いとのこと。
「盗まなければ生きていけない」状態にあるという証言でした。

*逮捕者のその後

 逮捕、その後に行われている拷問の証言はほんとうに痛ましい。

「天井から吊るされると、自分の体重で手が裂けるのです」
「水に投げ込まれて、電気棒で感電させられると全身が痛む。乾燥したところでは、電気棒を当てられた場所だけが痛むのだが」
「激しい拷問のために、精神的におかしくなった者も多い」


 また、強制労働についての証言は、ある意味日本にいる自分の生活と直結していて考えさせられるものでした。つまり「中国製 made in China」の製品のあるものは逮捕者の強制労働によってつくられているということ。

「魚のかたちのおもちゃなどを作りました。強力な接着剤を使う作業で、それは目に悪かった」

 当然ノルマも課せられており……報酬はろくに無いのでしょうね、当然。

*避妊施術

「少数民族」は一人っ子政策の対象外のはずですが、実態はそうではないという証言。

「避妊手術を受けるか、高額の罰金(?)を払うか、どちらかを選ばなければなりません」
「賄賂をつかえば、『施術した』という証明書を手に入れられる場合もあります」


 医学知識がないので、手術の様子についての証言には言葉を述べにくいのですが。
 ただ、「手術後には痛み止めのアスピリンを渡されただけだった」、「手術の翌日から、何もかも自分でしなければならなかった」、「点滴を自分で買わなければいけなかった」らしい。


 本土にいるチベット人の言葉、という点で「LEAVING FEAR BEHIND(Jigdrel)」を思い出す映像でした(感想はこちら
 あちらでは「顔を出して証言することで伝えたい」という思い、こちらの映像では「顔を出すことで何が起こるか」に脅える思いが伝わってきました。

「誰もが事実を話すことを恐れている」
「今日、(このように)証言したことが知れれば、私は明日には逮捕されるかもしれない」


 この映像を撮影したタシ・デスパ氏も、潜入中には極度の緊張のために吐いたことがあったそうです。また、上映後のラクパ・ツォコ氏(ダライ・ラマ法王日本代表事務所代表)のスピーチでは、今のチベットでは多くの人が「朝、家を出て、夜には帰ってこれないかもしれない」と常に考えている、とのことでした。

 主観の強い感想をいえば。
 定住キャンプはどうみても刑務所。僧侶の問答は観光客向けのショー。町で警官が人びとを追い立てている風景は、牛や羊の群れを追うのとそっくり。
 百歩譲って「チベット族」が中国国民だというなら、どうして一地方民を収容所に入れるのか。国民が「盗まなければ生きていけない」ってごく一般的な状態なのか。そうだとすれば、中国の方がお気の毒です。
 ちなみに、チャンネル4はこの映像を中国大使館に送ってコメントを求めましたが、「コメントに値しない」という返答を得たそうです。


 ほんとうに貴重な映像。ぜひ、「LEAVING FEAR BEHIND(Jigdrel)」との二本立て上映会を行って欲しいです。
 チベット人が記録したこと、本土のチベット人の本音の証言であること(証言したくてもできなかった人がいる事実も含めて)、また撮影時期も近い(2007・2008年)ですから、併せて見ることができればより深くチベットについて考えることができるのではないかと思います。

 と、思ったら。早速。

追記:
3/14 チベットサポートワークショップにて
「Undercover in Tibet」および「Leaving Fear Behind」の上映が行われます。

日時:2009年3月14日(土)18:30〜21:00
場所:国立オリンピック記念青少年総合センター 
    センター棟402号室(渋谷区代々木神園町3-1)小田急線参宮橋駅下車 徒歩約7分
参加費:500円(学生無料)
(詳細は SFT Japanサイトまで)
http://www.sftjapan.org/nihongo:filmingfortibet

ネットでも映像が見られます(英語だけですが)。
「Undercover in Tibet」で検索すると、一番上に出てきました。
スポンサーサイト
  1. 2009/03/08(日) 18:40:24|
  2. 映像・音楽|
  3. トラックバック:0|
  4. コメント:2

チベット系映像 | ホーム | レイプ・オブ・チベット -中華的民族浄化作戦-

コメント

epeaさん

ほんとうに素晴らしいイベントでした。
原宿からタクシーでぎりぎり駆けつけたんですけど(^^;)、諦めずに行ってよかった。
スタッフの方々にはお礼申し上げます……って、こんなところでごめんなさい。
最初の黙祷の時は、会場中がすっと祈りの気持ちに入っていく雰囲気があって感動しました。

>なんとも痛ましい証言

客席でも、おもわず涙ぐんでる方がいらっしゃいましたよ。
証言者の顔が映されないから、こちらの想像力も鋭くなっているのでしょうね。胸が痛みました。

>この映像がイギリスではTVで放映されたというのも、凄い話ですよね

やはり、人権意識の高さでしょうか。
あと、インドつながり(?)で縁のある地域と感じる方も多いのかもしれませんね。

良質のドキュメンタリーということで、日本の局が放映権を買ったりしないかなあ。
  1. 2009/03/10(火) 22:26:21 |
  2. URL |
  3. りんか #195Lvy4Y |
  4. 編集

りんかさん、いつも高品質なレビューをありがとうございます。私も舞台脇から緊張しながら見ていたのですが、なんとも痛ましい証言の連続で、いたたまれない気持ちになりました。特に避妊手術のくだりなどもうほとんど想像の及ばぬ範囲、ほんの少し想像するだけでも身震いを禁じえない。。

この映像がイギリスではTVで放映されたというのも、凄い話ですよね。日本でも一人でも大勢の目に触れてほしいですね。
  1. 2009/03/10(火) 01:17:45 |
  2. URL |
  3. epea #- |
  4. 編集

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバックURLはこちら
http://gnamlinka.blog50.fc2.com/tb.php/69-f53867a0

| ホーム |

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。