チベット 本の苑

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ラダックの風息 - 空の果てで暮らした日々 -

(ブルース・インターアクションズ)
ラダックの風息 空の果てで暮らした日々 (P‐Vine BOOKs)ラダックの風息 空の果てで暮らした日々 (P‐Vine BOOKs)
(2009/03/06)
山本高樹

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「納得いくまで時間をかけて、ラダックのことを見て、書きたい」と考えた著者の長期滞在記。ツェチュ祭やチャダルを歩く旅、種蒔きと収穫などラダックの一年を写真とともに語る。訪れた土地の地図やラダック語の日常会話、現地の交通情報なども記載。


 発売の頃に購入したのですが、就寝前の楽しみに少しずつ読んでいたら、感想をUPするのが遅くなってしまいました。
 通りすぎて振り返らない旅行記ではなくて、土地の人と同じ時間を過ごした毎日を綴った本です。撮影や畑仕事のあと、「おかえり」という声のする家へ帰る。チャダルを旅して、また同じ道を歩いて帰る。
 行っては帰る――そのくり返しに、何ともいえない幸福な気分になりました。

 特に好きだったのは、チャダル(冬の間、河が凍結してできる道)をいく旅の章。 冴え冴えとした氷、空と真っ白な太陽の写真が見事でした。
 また、ガイドさんや途中の村の子供との会話には笑いました(「こういう」話は世界中どこも同じらしいですね!)。

 雪と氷の鮮烈な写真のあとに、あらためて他の写真を見るのも楽しい。マーモットやヤク、子供のやんちゃそうな笑顔、花、重たげに実る果物が目に残りました。

 ところで、ラダックの服装を紹介したコラムの小さな写真に目がとまりました。トルコ石と真っ黒なウールの「ペラク」という装飾品をつけた女性――。
「あれっ? これ見たことある」と思い出したのは、この本でした。

西蔵放浪 (上) (朝日文庫)
西蔵放浪 (下) (朝日文庫) (シックなデザインの表紙なんですけど、古すぎて書影が出ないのが惜しい!)

 たぶん、私がチベットという名前を初めて知った本です(その後、長らく記憶の底に沈んでしまったのだけど)。「こんな服や装飾は、他のチベットの写真では見ないなあ」と思っていたのですが……ラダックなのですね。

 ラダックはかつては王国でしたが、今はインドのカシミール州に属しており、中国、パキスタンと未確定の国境を接しています。同じ習慣を持つ民族が国境のあちらとこちらにいる、という状況は「花の民」の章にも描かれています。
 この章を読んで、思い浮かんだ心象がありました。

 半透明のシートに地図が――国境がくっきりとひかれ、国名が大きく書かれている。
 また、文化圏があざやかな色に塗り分けされた別のシートがあるけれど、地図の下に置かれているので、ぼんやりとしか見えません。上から眺めると国境線ばかりが目立つけれど、人の習慣とか言葉、信仰心はそれとはまったく違う次元にあるのです。

 隠れたシートをすっと引き出して、地図の上に乗せてみせ、「ほら、地図とは違う世界があるでしょう」と語る――そんな本のようにも思えました。
(2009/4/30読了)
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  1. 2009/05/13(水) 23:09:20|
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