チベット 本の苑

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わたしのチベット紀行

     (集英社)
わたしのチベット紀行わたしのチベット紀行
(2000/05)
渡辺 一枝

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私はひたすら祈っている。チベットの人たちが望む日がきっと来ますように――。
正月ロサを祝う人々を描いた「ロサ、タシデレ」、メコンの源流ザチュ川をおとずれる「川のふるさと」など、1996年から1999年のチベット滞在記。

怪鳥の里
消されたらくがき
1000のバターランプ
カルマゲリ先生
川のふるさと
ロサ、タシデレ
チャンパツェリンが死んだ
サカダワのラサ
一九九九年



 著者は毎年のようにチベットを訪れておられるそうで、知人はもちろん、思いがけない人と再会した経験がいくつも語られています。
 同じキャンプ地に泊まった、あるいは馬を売った人――偶然知り合った相手を覚えている、覚えられているという嬉しさがじんわり伝わってきます。また、年越しの支度や鳥葬など家族同様の付き合いがあってこそのエピソードも書かれています。
 こうした近しい人を描くのにふさわしい細やかな文章でした。
 写真(「風の馬」など)と同じ柔らかさだなあ、と思いましたが、否、作家さんなのだから逆、ですね。写真が文章と同じなのです。

 楽しい風景も、そこにある隠れた棘のような出来事も淡々と書かれています。

 著者のために好物をつくってくれたチベット人家族。
 電波妨害で映らないCNNニュース。
 前払いでなければ治療を行わない病院。
 その一方で病気の旅行者のために薬を探し歩いてくれた青年。
 壮健なのに物乞いをする人と、それに喜捨をする人。
 誰が書いたか「チベット独立」のらくがきはすぐに消さなければ犯罪とされてしまう。
 「歩くと緑に染まりそうな」草原の風景。
 亡命した娘へ電話をかけるも「帰ってきては幸せになれないから、来るな」と語る両親.。
 反対に、亡命者の写真を故郷へ届けにいったことも。


 それぞれの出来事は小さなことで、ばらばらに見えるかもしれない。でも、それが降り積み、重なって、その向こうにある何事かを感じさせてくれる本だと思いました。
(2009/6/20読了)
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  1. 2009/07/01(水) 20:54:59|
  2. エッセイ・旅行記|
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