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「破天 -インド仏教徒の頂点に立つ日本人-」

夏休みなので、来週の更新はお休みをいただきます。
旅行の方も帰省の方も、道中お気をつけください~。

暑い本の感想を置き土産にしておきます。



破天 (光文社新書)破天 (光文社新書)
山際素男

by G-Tools





インドの不可触民解放を訴えたアンベードカルによってはじまった仏教復興運動。その中心に立って、ブッダガヤーの大菩提寺管理権奪還運動などインド仏教のために尽力する日本人僧侶・佐々井秀嶺の破天荒な半生を記した伝記。 (2000年に南風社から刊行された同タイトル作の再編集版)

プロローグ
第一部 人間失格、そして出家
 第一章 生い立ち
 第二章 再び故郷へ
 第三章 出家

第二部 インドへ
 第一章 汝速かに南天竜宮城へ行け
 第二章 インド仏教徒の中へ
 第三章 さらに民衆の懐深く
 第四章 国外追放の危機

第三部 永遠の求道
 第一章 大菩提寺奪還闘争
 第二章 不屈の前進
 第三章 無期限闘争宣言
 第四章 秀嶺を取り巻く群像




 チベットと関係あるのか、ないのか、よくわからないのですが。読んでみました。

 佐々井秀嶺氏は2009/4月半ばからふた月ほど、四十余年ぶり帰国されていたそうです。山際素男氏は2009/3/19に逝去されてます。日本での再会はされなかったのですね。

 題名そのままの佐々井氏の胆力が伝わってくるような、生と性(!)と死の間に振りきれるかのような強烈な半生に圧倒されました。
 桁はずれな生き様だけれど、義理、人情、あるいは筋を通そうとする思いが中心にある。
道路封鎖の座り込みや確信犯の無賃乗車、とぎょっとさせられることもありますが、まっとうな考えがインドの人の心を動かしていくさまは爽快、でした。

 こう言っていいのかわかりませんが。
 仏教の教えだけではなく、それを伝えた人の行動と言葉がつながっていたからこそ、これほど多くのインド仏教徒をとらえたのではないかな、と思いました。

 そして、圧倒といえば、インドという国の複雑さ。
 たくさんの宗教、言語が混沌としており、民族やカーストの区別も複雑に入り組んで重なっている。そこに政治党派の駆け引きも加わる。そして、その全体にのしかかる三千年の時間の重圧がある。何だかもう、声も出ない。

 その中での、アンベードカルとガンディーの対立を説明した章は印象的でした。
 新しい時代に向けてインド自身という大岩に取りついた、その着手した場所が違うだけで、単純な「対立」ではなかったのではないか、と感じました。独立したて、という状況でなかったら、また違う会話が交わされていたのかもしれない――。この本しか読んでいないので、漠然とした感想ですが。

 インドのことはこれまでさっぱり知りませんでした(知ってるのはガンディーとサリーとカレー、くらいだ)。
 チベットの本ばかり読んでいると、「亡命して、インドへ着けばもう大丈夫」みたいな感覚になってしまうのですが、大間違いですね。
 チベット人はこんなにいろいろなことがあるところへ亡命していって、住むところから何からひとつひとつ築いていったのか、と考えたら。これにも言葉がありません。

 アンベードカルの思想についても興味がわきました。本文中に、その仏教観を伝える言葉がありました。

 アンベードカルは自分の仏教は闘う仏教だ。「私は座禅し、坐った仏陀像より、立像の仏陀像の方が好きだ」といっています。

 この方もまた、強烈な閃光をはなつ人物ですね。
(2009/7/12 読了)
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  1. 2009/08/05(水) 22:10:49|
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